不動産保有スキーム

銀行も納得し、スポンサーも見つけることができる企業再生のスキームは誰でも作れる

絶対に不動産が必要となる事業は世の中にたくさんあります。
製造業、ビジネスホテル業、旅館業、倉庫業は、絶対でしょう。
それ以外でも、郊外にあるレストラン、パチンコ店、カラオケ店であれば、自分だけが使うように改造します。

一般的に事業で借りることができる不動産は、他の人にも転用できる場合だけです。
不動産を所有する人にとってみれば、転用できない不動産は、借りている会社が倒産したとたんに、自分も共倒れになってしまいます。
自分で事業をやっていないのに、そんなリスクは当然ですが負えません。
どんなに簡易的な建物であっても、借りている会社が倒産したら、原状回復どころか、建物の中にある機械設備も廃棄してくれません。
しかも、借りている会社が倒産するかどうかは、自分が貸している不動産だけではなく、他でやっている事業も含めて考える必要があります。
つまり、事業に密接に関連している不動産は自分で買うしかないのです。

ここからが問題なのですが、不動産を買うとそれを使っていなくとも、維持費がかかります。
清掃費や修繕費、固定資産税だけではありません。
不動産を自己資金で保有している会社などありません。
銀行からお金を借りているはずです。
この金利や元本返済が毎月、必要となります。
これらを合計した金額が不動産の維持費と言えます。
そして、不動産が事業に直結している場合には、どうしても過剰な投資をしてしまうことが多いのです。
人に貸せる場合には利回りから計算して投資金額を決めるため、コストに厳しくなります。
ところが、自分が使うとなると、事業計画に入れ込むため、予想売上と利益から使えるお金を計算してしまうのです。

このような状態で、景気の変動や法律改正、技術革新などがあると、一気に資金繰りが悪化します。
そして、税金の支払いと借金の返済ができなくなった時点で、行き詰まります。
ここで、自分の会社を冷静に分析してください。
設備投資が過大であっただけで、事業自体は十分、利益が出ていますか?

もし、事業の収益性が高いのであれば、続けるべきです。
社会的に貢献しているからこそ、その事業は利益を生んでいるのです。
しかも、続けることができれば、社員も継続雇用できます。

では、どうすれば、事業を継続することができるのでしょうか。

不動産に投資したときの過大な借金を切り捨てるしかありません。

そのためには、民事再生法という手段があります。
ただ、裁判所が介入すると、どうしても手続きには時間がかかります。
公表されることにもなるため、取引先との関係も悪化してしまいます。
民事再生がうまくいかなくて、破産になるケースも多いのです。
そのため、現金のみの取引になったり、取引自体を中止されてしまうこともあります。
そんなことで、事業の利益が下がってしまうと、銀行などの債権者にとってもメリットがありません。

できるだけ多くのお金を債権者に返済することが、会社を再生させる近道になります。

借りたお金なんて返さなくていいと思ってはいけません。
取引先も銀行も経営陣を信用して貸しているのです。
債権者とよく話し合い、友好的な関係を持ち続けることが、結果的には会社の再生を早めることになります。
では、債権者にどのような話を持ち込めばよいのでしょうか。

もちろん、「資金繰りが苦しいので、今月から返済できなくなりそうです」
と突然、これだけ告げたら、相手はどう思うでしょうか?
そんなことを聞いて、冷静でいられる債権者はいません。
「なに言ってんだ、他から借りてきてでも、全額返してもらう!」
と言われるのがオチでしょう。

「資金繰りが苦しくて、今月から返済は難しいのですが、新しいスポンサーとの話し合いが進んでいます。
スポンサーへ利回りを10%と提案したところ、3億円を投資してくれることが決まりました。
そこで、現時点の借入金10億円のうち半分の5億円をカットしてくれれば3億円を一括返済できます。
さらに、残りの2億円は、将来の利益から10年間で返済するつもりです。
これが、再生の事業計画書になります」
と相談すれば、銀行も倒産したら実際には1割も戻ってこないことを知っているため、詳細を教えて欲しいと前向きな話し合いになるはずです。

ただ銀行などの債権者が突然、何の手続きも経ずに、借金を一部カットすることはできません。
そこで、受け皿会社を作って、事業を受け継ぎ、今の会社は清算するという方法をとります。

不動産保有スキーム図

このとき、会社分割を利用すると税金を最小限にすることができます。

これで、銀行からの借金がカットできれば、事業でお金が回るようになります。
一部の借金を受け皿会社に持っていけば、事業が再生することで、銀行もより多く回収することができます。
もし今の財産を競売などで切り売りすれば、事業は消えてなくなり、返済もほとんどできません。
買う人にとっては、事業を再開するまでのランニングコスト、人材採用、広告宣伝費などの見えないリスクがあるのです。
すでに事業に失敗した不動産を高く買いたい人はいません。
しかも、その不動産は他の事業に転用できないのです。

そのため、時間的なロス、事業のリスクをよく分かっている、今の経営者が建て直す方が早いのです。
しかも、そのまま事業を引き継ぐことができれば、取引先との契約、許認可、登録、特許権などを取り直す手間も省けます。

なお、新しい受け皿会社を同じ会社名にすることもできます。
会社法では、同じ会社名で同じ住所の場合、債権と債務を自動的に引き継いでしまいますが、引き継がないように登記することもできます。
同じ会社名で、事業譲渡という方法をとれば、取引先への説明も簡単です。
ほとんど何も変わらずに、事業を遂行することができます。

最後に、1つだけ重要なことがあります。
自分の事業とシナジー効果があって、前向きな話し合いができるスポンサーを探すことが、再生させるためには必要です。
事業が失敗したことに関しては絶対に理由があるので、スポンサーと今後の方向性をよく話し合ってください。

みんなの意見を聞くことが、絶対に事業を再生する近道になるのです!!

一度スポンサーを決めたら、ふらつかないことも重要です。

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