あなたは、上の理由のどれかで、飲食店を始めたのではないでしょうか。
でも残念ながら、あなたも含めて、ほとんどの人が失敗します。
あなたに能力がないと言っている訳ではありません。
ビジネスは運の要素が大きいのです。
その上、飲食店は参入障壁が低いため、競争が激しく、新しいお店が毎日のようにできるのと同時に、今あるお店も潰れてしまうのです。
少子高齢化で働く人も減り、さらに不況で、外食する人口が、どんどん増えるはずがありません。
小さくなっていくパイを、みんなで奪い合っているのです。
ずっと儲かり続けているお店にはノウハウがあり、上場会社には資金力があります。
そこに、新しく参入して勝つことは、誰が考えても、難しいと理解しています。
それでも、自分だけは成功できると信じて、お店を出すのですが、結局は失敗してしまうのです。
ただ、全員が失敗するわけではなく、成功している人も、少しだけいます。
それは、飲食店を始める時の理由で、決まります。
あなたは、さっきの1から8の中で、どの理由が一番成功しやすいと思いますか?
答えは・・・・・・『5』です。
飲食店で成功するためには、
という6つの条件が揃っていれば、成功は間違いありません。
ただ、あなたが開業したときに、全部、揃うはずがないですよね。
上場している飲食店でも、全部の項目が揃わないのですから、当たり前です。
そこで、優先順位をつけるのですが、このとき、なぜか、飲食店を始める人は、「場所」が大事だと勘違いしてしまいがちなのです。 あなたも、もしかして、よい場所にお店を出すこと、「人通りが多い場所」を探すことに力を入れすぎてしまったのではないですか?
場所も、まぁまぁ大事なのかもしれませんが、一番ではありません。
なぜかと言えば、よく潰れた飲食店を居抜きで借りて、成功しているお店を、あなたも見たことがあると思います。
もし、場所が本当に一番重要ならば、同じ場所で、失敗する飲食店と成功する飲食店があるのはおかしくないですか?
しかも、場所は、貸してくれる相手があることなので、すごく運の要素が強いのです。
もちろん、駅から徒歩1分の路面店という、すばらしい場所で成功しているお店もありますが、そこに自分が入ることはできません。
すでに儲かっている場所の情報が、資金力もコネもない、あなたに回ってくることはありません。
しかも、その場所がほんとうに儲かるのか、競合と比べることは難しいのです。
一方、価格であれば、自分だけで決めることができます。
しかも、最初から、お客の数を予想して、食材の仕入価格を計算した結果、赤字になる価格で、始める人はいないでしょう。
しかも、価格は数字なので、お客も、あなたも、競合と比べて、勝負することができます。
それでは、違う要素である、「味」について考えてみましょう。
冷凍食品でも、そこそこおいしい時代に、「飲食店は、味で勝負すべきだ」と考える人はいないと思いますが、本当に味なんて、ほとんどの人にとって、お店を選ぶ基準にはなりません。
三ツ星のフレンチレストランで食事をして、使っている食材を理解し、ソースの名前を言えて、競合のお店と比べて何が違うのか、具体的に説明できる人が何人いるでしょうか?
フレンチの創作料理の味が分かる人なんて、ほんの一握りです。
そもそも、脂が乗り過ぎたフォアグラを毎日、食べることができるでしょうか?
価格が高すぎて、毎日通えないという理由ではなく、絶対に、毎日は食べたくないと体が拒否します。
そもそも、あなたも含めて、いきなり飲食店を始める人が、三ツ星のフレンチと同じような味が出せるはずがありません。
それでも、全然、心配する必要はありません。
味の感覚は、みんな違います。
食べる人の体調によっても、年齢によっても、感情によっても、一緒に食べる人によっても、全然、変わるのです。
あなたも、行列がいつも絶えずに、TVで取り上げられる有名なラーメン屋で、「そんなに、おいしいか?」と思ったことが、何度もあるはずです。
全員が、おいしいという味を追い求めても、答えはありません。
味を決めるときに重要なことは、10人のうち、半分以上がおいしいという味を求めることです。
10人全員を目指してはいけませんし、2-3人のまずいという意見に耳を傾けてはいけません。
それによって、味を変えたら、半分以上の人が、「まずくなった」というかもしれないのです。
「まずい」と言った、2-3人のお客は無視しましょう。
実は、場所も、味と同じで、100点の場所はないのです。
しかも、よい場所であっても、競合店が目の前にできるかもしれません。
駅の周りが再開発されて、人の流れが大きく変わることもあります。
デパートが潰れたり、新しくショッピングモールができたり、今まではよかった場所でも、すぐに変化してしまうのです。
だから、競合と比べても意味がないですし、完璧な場所を追い求める努力は無駄なのです。
でも、価格は、場所や味とは違います。
安い価格は、いつでも、誰にとっても、安く感じます。
安いとそこそこの味になると心配する必要は、まったくありません。
マクドナルドのハンバーガーを食べて、今まで生きてきて、一番おいしいハンバーグだと思う人はいません。
それでも、価格から想像した味よりも、全然、おいしいので、また食べてもいいかなと思うのです。
そもそも、安い価格にすれば、料理へのこだわりもなくなるので、ドンドン新商品を出すこともできますし、売れない商品はすぐに作るのを止める意思決定ができます。
さらに、価格を安くしたことで、手間もかけられないので、バイトでも、簡単に作れる料理にするでしょう。
利益もそれほど多くないので、高い賃料を支払って、一等地でお店を開くこともしません。
最初に、価格を安くすると決めると、無理をしないお店になるのです。あとは、お金があまりかからない社員教育に力を入れることで、サービスはよくなります。